パブリックアフェアーズJPについて

PublicAffairsJP 創刊にあたって

今、企業経営に「公共との付き合い方」を再考する波が押し寄せています。技術革新がどんどん加速し、ビジネスも社会もこれまでにないスピードで変化している中、それに応じた新しい規制やルールを作っていくニーズが企業側で高まっています。また政治も行政も、最先端のビジネスや社会課題に向き合う企業の現場の知恵を積極的に求めています。

また、環境や人権、福祉や教育など、世の中の公共課題に対する意識がどんどん高まり、民間企業の方でも、社会課題解決を意識したビジネスやブランドの構築、NPOや行政など多様な公共的ステークホルダーとの関係の構築が必須になっています。

新聞を見ればCSR(企業の社会的責任)やESG投資(環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視する投資)といった言葉が紙面を賑わせ、企業が利益追求だけでなく社会課題解決の視点を持つことが世界的潮流となっています。

現代マーケティングの父と呼ばれるノースウェスタン大学のフィリップ・コトラー教授が、社会課題への貢献に敏感なソーシャルメディア時代の新しい世代の価値観を踏まえ、世界をよりよい場所にすることを目的とした価値主導型マーケティングである「マーケティング3.0」を唱えたのは、2010年でした。2015年に国連が「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」を策定し、官民をあげての協力が日本でも叫ばれている中、企業のマーケティングやブランディングにおいても、社会課題解決の視点が欠かせなくなってきています。

このような中、政府やNPO・NGOといった公共・非営利セクターと企業の戦略的関係構築(「非市場戦略」ともいいます)を設計し、その交渉と調整のフロントに立つ「パブリックアフェアーズ」の仕事への注目が集まっています。従来は、企業防衛の観点からの対NGOのPRや、自社に有利な法律を陳情するためのロビイングなどが中心とも見なされてきたパブリックアフェアーズの業務ですが、ここ10年ほどの上記のような社会経済の変化によって、見違えるほど積極的なものに変化してきています。

たとえば、民間企業の立場から、技術やビジネスのイノベーションを踏まえた規制の在り方を政府に提言したり業界ガイドラインの調整を行ったりする「ルール形成」の仕事。地方創生や福祉などの現場で行政・NPOと連携プロジェクトを企画運営する「セクター間連携」の仕事。社会課題解決やCSRを中心に据えた企業ブランドや企業メッセージを発信する「価値主導型ブランディング」の仕事。民間と公共が交わる場所には、必ず活躍するパブリックアフェアーズ・プロフェッショナルたちの姿があります。

このように、パブリックアフェアーズは、社会課題解決を目指す公共・非営利セクターと目的を連動させながら、企業が活動しやすい規制環境を作り、財政措置を含む公的支援を確保し、公共サービスと連携した新市場創造を行い、消費者の普及啓発を行い、公共的イシューに結び付いたブランド価値を創造する活動の先端に立ちます。つまり「社会課題解決と企業の成長が連動する世の中」を作ります。

PublicAffairsJP は、このような新しい時代のパブリックアフェアーズの最前線を紹介するためのメディアです。パブリックアフェアーズの実務に役立つ知識や理論、業界の動向や活躍する個人のインタビュー、パブリックアフェアーズの活動や政策提言の事例など、パブリックアフェアーズに携わる人・携わりたい人にとって有益な情報を積極的に情報発信していきます。オフ会や交流会、勉強会などのコミュニティ活動も積極的に開いていきたいと思います。活動に関わりたい方、共有したい情報などある方は、ぜひお知らせください。

パブリックアフェアーズを産業として日本に根付かせ、「社会課題解決と企業の成長が連動する」世の中を、公共・非営利・民間企業のトライセクター連携により実現することを目指します。未来を作るパブリックアフェアーズ・プロフェッショナルたちと一緒に語り合い、働けるのを楽しみにしています。

PublicAffairsJP 創刊編集長 藤井宏一郎

以上

 

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